「やめよう」と夫に言ったとき、なぜか涙が出ませんでした。

もう泣き疲れていたのかもしれない。それとも、ずっと前から心のどこかで決めていたのかもしれない。

体外受精、何回やったか

29歳で妊活を始めて、32歳で体外受精に踏み切るまで約3年。

採卵2回、移植4回。費用は合計で約180万円。

数字にするとすごくシンプルに見えるけど、その裏にあった「今月はどうだった?」「次の周期はいつ?」「採卵できる卵の数は?」——この繰り返しが、じわじわと私を削っていきました。

ホルモン注射で体はむくみ、採卵のたびに休みをとる。夫には「今日は安静にしてて」と言っても、翌朝には普通に出かけていく。その落差に、何度もモヤっとしました。

転機は「AMH 0.8」という数値

移植4回目が陰性に終わった後、改めて検査を受けました。

AMH(抗ミュラーホルモン)が 0.8 ng/mL。年齢より低めで、「卵巣年齢が老けている」と言われる数値です。

先生には「次の採卵も視野に入れましょう」と言われたんですが、そのとき初めて「待って、本当にそれでいいのかな」と思った。

高いお金を払えば授かれる——そんな保証は、どこにもない。

「ステップダウン」という言葉を初めて知った日

調べているうちに「ステップダウン」という選択肢があることを知りました。体外受精から、人工授精や タイミング法に戻すこと。

最初は「後退してる感じがしてイヤだ」と思いました。でも、よく読んでみると考え方が変わった。

体外受精は確かに妊娠率が高い。でも、それはあくまで統計の話。私の体、私の卵子、私の子宮がどう反応するかは別の話です。

それに、人工授精で授かる人だって、たくさんいる。

夫への話し方が、一番むずかしかった

「体外受精をやめたい」と切り出す前夜、一人で何度もシミュレーションしました。

夫はもともと「費用もかかるし、体も大変そうだし」と思っていたタイプ。でも私が「続けたい」と言えばうなずくし、「やめる」と言えばそれもうなずく。そのどっちにでもうなずく感じが、正直しんどかった。

自分から能動的に勉強しようとしない。「自転車乗ったら精子に悪いって知ってる?」と聞いたら「え、そうなの?」って顔をされて、こっちが疲れてしまいました。

でも、それに苛立って自己嫌悪するのも、もうやめようと決めた。

私の妊活は、私がハンドルを握る。 そう思ったら、少し楽になりました。

ステップダウンして3ヶ月後

人工授精に切り替えてから、不思議なくらい体が楽になりました。

採卵のときの腹部の張りがない。休みを何日も取らなくていい。費用も1回あたり3〜5万円に下がって、「今月うまくいかなくても、来月また試せる」という気持ちの余裕が生まれました。

そして人工授精3回目で、娘を授かりました。

人工授精という選択がなぜ私に合っていたのか、詳しくは「人工授精で授かった私が、タイミング法との違いを本気で説明する」で書いてます。

あのとき「ステップダウン=諦め」だと思っていた自分に教えてあげたい。違う、これは自分の体に合う方法を選び直すことだよ、と。

二人目妊活をはじめた理由

娘が生まれて1年が経った頃、「やっぱり兄弟を作ってあげたい」と思うようになりました。

でも今度は同じ轍は踏まない。最初からお金もメンタルもすり減らす方向には進まない。

自分でできることをちゃんとやって、体の準備を整えてから、クリニックに頼る。その順番を大切にしようと決めています。

このブログでは、私が実際に試したサプリや検査キット、通院の工夫を正直に書いていきます。「これは微妙だった」も、ちゃんと書きます。

同じように悩んでいる人の、少しでも参考になれば嬉しいです。